蚊のトリビア セミ並みにはかない寿命
蚊は地球上で最も悪名高く、広く知られている昆虫の1つである。
その吸血習性と結果として病気を蔓延させるという特徴をもつからだ。
独特の甲高いプーンという音で知られる蚊は、触角にある感覚器官が非常に敏感だ。哺乳類の宿主となる可能性のある動物が発する二酸化炭素や乳酸を、最大100フィート(30メートル)離れた場所から感知することができる。
さらに蚊は無差別に犠牲者を選ぶわけではなく、特定の血液型を好むことが研究で明らかになっており、特にO型の血液は魅力的である。一方、オスは花の蜜や植物の汁を食べる。
こちらはマンゴーの花の蜜を吸うカの姿。みんなこうなってくれたらいいのに。。
カの寿命は短く、オスは2ヶ月未満、メスは6ヶ月ほどである。
にもかかわらずメスの蚊は一生のうちに何百もの卵を産むことができる。。
世界には3,500種以上の蚊がおり、生息地や餌の好みは様々だが、どの蚊も大きな不快感を与え、多くの場合、致命的な病気を蔓延させる。
蚊はマラリア、デング熱、黄熱病、ジカウイルスなど様々な深刻な病気を媒介することが知られており、毎年数百万人の死者を出し、地球上で最も致命的な動物のひとつとなっている。
蚊はスペイン語で「小さなハエ」を意味する。見た目は少しハエに似ているのかもしれないが、人間の健康に与える影響は一般的なイエバエをはるかに上回っている。
世界的に見て、イノシシや熊の被害はスズメバチやヘビの被害に比べると圧倒的に少なくないも同然となるが、そのスズメバチやヘビの被害が、カの被害に比べるとないも同然といえるほど、蚊による被害は莫大だ。
飛ぶのが得意で、1秒間に500回も羽を打ち鳴らすことができる。蚊の繁殖嗜好性にも注目すべき点がある。蚊は立水域に卵を産むため、効果的な蚊の駆除にはそうした環境を排除する必要がある。
蚊の個体数や蚊が媒介する病気をコントロールする効果的な方法を開発するために、遺伝子組み換えによる無菌化や病気への耐性化、革新的な蚊取り器や忌避剤などの研究が続けられている。レーザー技術も、蚊を探知し駆除する潜在的な方法として研究されているようだ。
ユニークな生存メカニズムがある。極端な気象条件や食糧不足の時期を乗り切るために、休眠状態であるダイアポーズに入ることができ、寒冷地に生息する種は冬を越せるのである。
夜行性の生き物と思われがちだが、夜明けや夕暮れに最も活発に活動する種もいれば、日中の暑い時間帯に活動する種もいるなど、その活動時間帯は蚊の種によって大きく異なる。
実体験であるが、熱帯の旅行先ではこうしたことは要注意である。どういうことかというとこの時間帯の蚊は危険、と時間帯によって蚊の脅威が変わったりするのだ。夜の蚊はさされてもかゆいだけだが夕方の蚊はさされたらやばい、こういう感じで強めに注意されることがある。
蚊は視覚、熱、嗅覚を手がかりに宿主を見つける複雑なシステムを持っている。遠くから視覚で宿主を見つけ、近づくと熱と嗅覚を手がかりにする。
彼らの口吻は一見1本のチューブのように見えるが、実は複数のパーツからなる複雑な構造をしており、唾液を注入するためのチューブと血液を抽出するためのチューブの2本がある。
ほとんどの種の蚊のオスはメスを引き寄せるために交尾の群れを形成するが、より単独で交尾を行うものもおり、種によって繁殖戦略が多様であることを示している。その上、蚊は自分の体重の3倍もの血液を飲むことができ、メスの蚊に卵の発育に必要な栄養を与えるというのだから驚きだ。
飛行も興味深い点である。単に羽ばたくのではなく、この生物特有の複雑な3次元的回転プロセスを伴いその飛行を非常に操縦?しやすいものにしている。
最後に、蚊は1億年以上も地球上に生息している。
つまり恐竜の時代にもこの小さな生き物は存在していたのだ。巨大な恐竜でも背中にとまられたら最悪な気分を味わっていたかもしれない。吸い放題である。。