ジャガイモという地球でNo.4の食品

植物

身近なジャガイモのあまり知られないトリビア

まずは、ジャガイモの植物としての特徴から。

実はジャガイモは色も食感もぜんぜん違う、あのナスと同じ、ナス科の植物である。ちなみに同じナス科の植物には、私たちがよく食べるトマトやナスなどの野菜もいます。

ジャガイモは根っこと思っている方も多いのではないだろうか?

実は、私たちが食べている部分は根ではなく、地下茎が膨らんだもの。要するに茎なのである。

家で保管していたジャガイモから突然芽が出てきた経験がある方も多いはず。これは、養分をたっぷり蓄えた地下茎だからこそできることです。

ジャガイモには花も咲きます。品種によって白から紫まで様々な色の花が咲くのだ。そして、その花が咲いた後には小さなトマトのような緑色の実をつけることも。この実から種子を取って、新しいジャガイモを育てることもできるんです。

ただし一般的な栽培では、このような種子からの栽培(有性生殖)ではなくいもを切って植える栄養生殖という方法が取られている。これによって、親と全く同じDNAを持つクローンのジャガイモが生まれるのだ。

El Alto market Bolivia

こちらの動画はマッシュルームや白トリュフみたいだがこちらもポテト。ボリビアのマーケットに売られる長期保存じゃがいもである。

ジャガイモの歴史は古く、紀元前8000年から5000年の間に現在のペルー南部、そしてボリビアの北西部で最初に栽培が始まったとされています。

ということで世界史などを勉強していると「アイルランドのジャガイモ」という言葉を耳にするかと思うが、もちろんアイルランド原産ではなく1570年頃に導入されたものなんです。

こちらはじゃがいも農場の様子。大量に育つ植物なので機械の方もすぐに収穫したのちにベルトコンベアに運ばれるという非常に効率の良いものになっている。

Potato Farming & Processing – Start to Finish

そして今では驚くべきことに、1995年にはジャガイモは宇宙に進出しました。

スペースシャトルのコロンビア号に乗り宇宙へ運ばれ、宇宙で栽培された最初の野菜となったのです。。これは、将来の宇宙での食料生産や地球外での植民地化の可能性を示す重要な一歩となりました。

世界には信じられないことに、4000種類以上ものジャガイモが存在します。大きさ、形、色はもちろん、デンプンの含有量や味まで、その多様性には目を見張るものがあります。ただし、実際に商業的に大規模栽培されているのはそれのほんの一部なのである。

ジャガイモというと炭水化物の代表選手というイメージが強いですが、実は優秀なビタミンC供給源でもある。

ジャガイモの芽は取り除くようにと言われる。これはソラニンというアルカロイドが含まれているからだ。これは有毒な成分なのでやはり芽は必ず取り除いてから調理するようにしましょう。

料理の世界ではジャガイモは定番で肉料理の付け合せからサラダにまで、どこにでもいるが、新しい可能性も見せている。

例えば、実験的なシェフとして知られるヘストン・ブルメンタールは、ジャガイモをガラスのような透明な物質に変える技術を開発した。これを使って透明なポテトチップスを作り出すことに成功したのだ。

…個人的にははっきり言って色が付いていたほうが美味しそうだが、こうした謎の試みが新しい何かにどんどんつながっていくのだと思う。

また、そこまで知られていないがジャガイモはウォッカやポワチンといったアルコール飲料の原料としても使用されてもいる。

意外なことに、ジャガイモは金融の世界ではチューリップバブルのように話題になったことがある。1970年代のジャガイモの先物市場では投機が横行し、あるトレーダーが契約を履行できなかったことから、メイン州(アメリカ北東部の州だ)のジャガイモ市場は崩壊。この出来事は、今でも金融史上の一つの重要な教訓として語り継がれている。

そろそろまとめにかかろうかと思うが、ジャガイモは現在世界第4位の食糧作物である。順番としてはトウモロコシ、小麦、米に次ぐ。

野菜としてのイメージが強いが独特な立ち位置の人類にとってかなり重要な食品なのだ。

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