トウモロコシのトリビアまとめ
トウモロコシは世界の多くの地域で主食作物として食べられている。
が、実はトウモロコシは野生では育たない変わった植物だ。
マヤやアステカを含むメソアメリカの古代文明が何千年にもわたり、テオシンテと呼ばれる野生の草を今日のような多産な穀物に変化させた選択的品種改良の産物であるということである。
そして面白いことに遺伝的多様性はしっかりあるのだ。世界中で現在59,000以上の品種が認められており、それぞれが色、大きさ、栄養成分においてユニークなものである。
近年ではエタノール燃料やバイオプラスチックの生産から、家畜の飼料、さらにはある種の接着剤の生産に至るまで、無数の産業目的に使用されていてこの謎のハイポテンシャルな作物の多面的な有用性を実証している。
高校の生物の授業を履修していた方は知っているかもしれないが、とうもろこしは他の多くの作物よりも光合成の割合が高く、効率の良いC4タイプの植物であるため、高温や干ばつ条件下で他の植物よりも太陽光をより効率的にエネルギーに変換することができる。
また単なる食料源ではなく、植物の各部分に何らかの用途がある。インディオたちは殻は伝統的に人形を作ったり籠に編んだりするのに使い、絹は伝統医療に使われ、茎は飼料になり、さらに穀粒を取り除いた後の穂軸は、生分解性の包装材料やバイオ燃料として使うことができる。
さらに、とうもろこしは単子葉植物である。つまり、同じ植物に雄花と雌花が別々に咲き、房が花粉を作る雄花、絹の穂が雌花となる。これは植物学上のユニークな特徴で、交配を容易にし、種の遺伝的多様性に貢献するポイントだ。
とうもろこしといえば黄色というイメージが強いが、赤、青、紫、黒、さらには品種によって様々なアントシアニン色素を含む多色性など幅広い色彩がある。
人間による負の側面として、単一作物栽培(単一の作物を広い面積で何年も連続して栽培すること)は、生物多様性の喪失、土壌の劣化、病害虫に対する脆弱性の増大につながっており、持続可能な農業慣行と作物多様化の必要性について重大な問題を提起している。
そしてアメリカではとうもろこしは経済や政治と密接な関係にある。
政府によるとうもろこし補助金は、過剰生産を促進し、市場価格を歪め、高フルクトース・コーンシロップやその他のとうもろこし由来製品に過度に依存する不健康な食糧システムを助長していると非難され、長い間論争の的となっており、農業政策、経済力、公衆衛生の間の複雑な相互作用を明らかにしている。
バイオ燃料生産におけるトウモロコシの利用、特にバイオエタノールは、温室効果ガス排出削減の可能性が評価される一方で、必要とする水と土地の量が多いという批判も実はあったりする。悩ましい点だ。
特定の害虫や除草剤に耐性を持つ遺伝子組み換え(GM)トウモロコシは、農業慣行を一変させたが、同時に安全性や倫理をめぐる議論にも火をつけた、科学的革新と社会的価値観が衝突する領域である。
カリフォルニア州ディクソンにある世界最大のとうもろこし迷路は、45エーカー以上の広さを誇り、毎年デザインが変わる、
とうもろこしが無数の実用的な用途以外にも、娯楽やユニークな文化体験を提供できることを示す気まぐれな例だ。
料理における驚きとしては、とうもろこしは文化の違いを超えて多くの料理のベースとなっている。
アメリカで愛されているポップコーンやコーンブレッドから、イタリアのポレンタやコーンミールピザまで、
アメリカで愛されているポップコーンやコーンブレッドから、イタリアのポレンタやコーンミールピザ、メキシコのトルティーヤやタマレス、インドの蒸しコーンブレッド「マッカイ・キ・ロティ」まで、とうもろこしの料理の多様性を証明している。
最後に、ベビーコーンの素晴らしさも忘れてはならない。
これは別の品種ではなく、穂が非常に小さく未熟なうちに早めに収穫された普通のトウモロコシなのだ。というか自分は別種だと思っていた。自分だけかもしれないので当たり前だろと思った知っていた方には申し訳ない。
そして、それを知るとたけのこみたいに見えてくる、のは自分だけだろうか。
黄色のとうもろこしは、にんじんのようにカロテノイド(β-カロテンなど)を多く含んでいる。そしてこれが黄色い色の源となっている。
どこで採れる?トウモロコシの生産国
トウモロコシはどこで採れるか、世界のとうもろこし生産に関し2024年の最新データを見ると、以下の国々が主要な生産国となっている。

アメリカ合衆国 – 約348,750,930トン
中国 – 約277,203,000トン
ブラジル – 約109,420,717トン
アルゼンチン – 約60,526,000トン
ウクライナ – 約42,110,000トン
世界全体の生産量は約12億1940万トンと予測されており、アメリカが全体の4分の1以上を占める、28.6%を占め、最大の生産国となっている。
アメリカ国内のトウモロコシ州別生産ランキング
とここまでは社会の資料集などでもおなじみかもしれないので更に。
アメリカ合衆国内での州別生産量についても。
アイオワ州: 約20億ブッシェル(約5億トン)
イリノイ州: 約18億ブッシェル(約4.5億トン)
ネブラスカ州: 約8億ブッシェル(約2億トン)
これら3州だけで、アメリカ全体の生産量(約15億トン)の約60%を占めているのだ。これらの州は肥沃な土壌と適切な気候条件に恵まれているので大規模なトウモロコシ農業が行われている。
どこだよ、と思われた方のために大体の位置を言うと3州とも北寄りの内陸部である。イリノイはシカゴのある州なのでわかりやすいかもしれない。位置的にはネブラスカ、アイオワ、イリノイ、と横に並んでいるひとつなぎの地域である。(ワンピースかな)
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