ハトのトリビア 平和の象徴は実際の話。ハトの違い一覧も

動物

ハトの豆知識 街のおなじみ

ハトには卓越したナビゲーション能力がある。帰巣鳩として知られるハトは、なんと何百キロ、何千キロ離れた場所からでも自分の帰る道を見つけることができるのだ。

ナビゲーション能力のメカニズムは完全には解明されていないが、磁気受容と視覚的目印の利用が組み合わさっていると考えられている。

鳩はあなたを覚えています

何百万種類もの色相を見ることができ、人間を含むほとんどの動物よりも優れた色覚を持っている。さらに紫外線も見ることができる。

彼らは鏡に映った自分を認識することができる。いわゆる鏡テスト(自己認識テスト)に合格する数少ない種のひとつである。また、群れの中のハトを個別に認識することも可能だ。

それだけじゃない。ハトは人の顔も覚えることができるのだ。ハトを追い払うとハトはあなたのことを覚えていて、将来あなたを避けるようになるだろう。市街地住宅地では餌をやったら基本的にだめだがあげたら再度おねだりに来るかもしれない。

まだまだあるハトトリビア

史上最速のハトはイギリスで行われたレースで時速約110から120キロで飛んだ記録があるようだ。ちょっとした特急電車や野球のピッチャーの球速並である。

多くの鳥類とは異なり一夫一婦制で生涯交尾を続ける。オスとメスが交代で卵を孵化させ、子供に餌を与える。両親ともに巣作り、抱卵、給餌に参加する。

野生では15年生きることができるが、捕食者や病気のために平均寿命はそれより短くなるのが普通である。

世界で最も生息数の多い都市部の野生動物のひとつでありロンドンだけでもその人口より遥かに多い1,800万羽のハトがいると推定されている。

非常に清潔な動物であり病気の重大な伝染源であることを示す証拠はほとんどない。

雑食性で、穀物、種子、果物をよく食べる。都市部では、パンのような人間の食べ残しを食べることもある。

タカやハヤブサ、時にはアライグマのような大きな哺乳類のような動物からの捕食は彼らにとっての脅威である。

ハトは時としてその糞のために人間に迷惑をかけることがあり、器物損壊や、まれに病気を媒介することがある。しかし一般的に都市環境では平和的に共存している。

一般的に昼行性で日中に最も活発に活動する。朝と午後の遅い時間に採食し夜間は休息する。

群れの個体数は場所によって大きく異なる。都市部では、数十羽の複数の群れが見られることもある。

地域によっては生息地の喪失、捕食、そして時には都市部での数を減らすことを目的とした殺処分によってハトの個体数は減少している。

通常、ハトが都市部で繁殖するのはその繁殖率の高さと都市部での餌の豊富さによる。成熟した1組のハトは、最適な条件下で年間8羽の子を産むことができる。巣を作る場所があること、捕食者が比較的少ないことも繁殖率の高さにつながっている。

伝書鳩の逸話

古代ギリシャではハトは古代オリンピックの試合結果をギリシャ各地に送るために使われたと言われている。

パリへのピジョン・ポスト。19世紀にはイギリスとフランスの間に定期的な鳩による郵便サービスが確立された。今ではユーロトンネルでロンドンとパリはつながっているがユーロスターの先駆けかもしれない。

世界中のニュースの出どころである国際的な通信社、ロイター通信。1850年代、ポール・ユリウス・ロイターは、ベルギーのブリュッセルとドイツの西部の都市アーヘンの間でニュースや株価を伝えるために伝書鳩を使っていた。

パリ包囲戦(1870~1871年)でも活躍した。これはビスマルクとナポレオン3世が戦ったドイツ誕生の契機ともなった普仏戦争の激戦である。当時ハトは包囲された都市を出入りする郵便物の運搬に使われていた記録がある。

叙勲された鳩シェール・アミ 平和の象徴は伊達じゃない

まだまだそれだけではない。鳩は平和の象徴というがあれはシンボリックな意味だけではないのだ。

第一次世界大戦でも第二次世界大戦でも伝書鳩たちは重要な役割を果たした。おそらくもっとも著名なハト、シェール・アミは第一次世界大戦中に194人のアメリカ兵を救った記録をもつ。

このシェール・アミとは親愛なる友、という意味からの名前だ。この鳩はアメリカの陸軍の通信部隊所属の伝書鳩であった。

激戦の中で包囲されたアメリカ軍部隊からメッセージを持ち飛び立ち、ドイツ軍の銃撃を受けて体には銃弾を受け片脚をなくす。しかしそれでもメッセージをしっかりと味方に届けることで部隊の200人近くを救ったのである。

実際に功績をたたえてアメリカと同じ連合国のフランスからも、それぞれ叙勲やメダル授与が行われた。

戦争の終わった1年後にシェール・アミは亡くなってしまうのだがもはや伝説となった伝書鳩の話である。

ハトの違い一覧 ドバト、キジバト、カラスバト、アオバト

よく見るハトの違い比較一覧。

普段から身の回りにいるドバトとキジバト。ほぼ見ないカラスバトやアオバトについてもまとめて一覧にしてみた。

項目ドバト(よくいるハト)キジバト(電柱などにいるアイツ)カラスバトアオバト
学名Columba liviaStreptopelia orientalisColumba janthinaTreron sieboldii
大きさ約30-35cm約30-33cm約40cm約30-35cm
体重約200-300g約180g-250g約320-470g約200-300gでほぼドバトと同じ
色彩灰色、白、黒の斑点褐色、白の斑点。黒色、金属光沢のある羽色緑色、オリーブ色。
青くはない。色的にはミドリバトだ
生息地都市部、農村。公園から街灯、駅のホームまでどこでも。森林、農村が多いが、東京などの大都市部でも実は結構住宅地などはいる(日頃からの個人的実体験)常緑広葉樹林の森などにいる。
数が少なく見れるのは実質動物園である。
普段ほぼ見ないが生息地としては日本列島と、中国や台湾の一部にいる
食性穀物、種子だが、雑食
また、東京都のハトは人があげたエサを拒絶する(byネットミーム)
主に種子、果実植物食傾向の強い雑食主に果実、種子
繁殖期どのハトも春から夏春から夏春から夏春から夏
鳴き声「クークー」「ホーホーホッホー」「グルルッ、ウーウウーッ」「オーアーオー」と鳴く。
このためにアオバトと呼ばれている説もある
特徴人に慣れやすいどころか寄り付いてくることも警戒心が強い警戒心が強い。警戒心が強い
繁殖方法これも全種同じ。巣を作り、2個ほどの卵を産む巣を作り、2個の卵を産む巣を作り、2個の卵を産む巣を作り、2個の卵を産む
保護状況安全安全ハトだが動物園にいるレベル。準絶滅危惧(NT)である減少傾向
ハトの違いまとめ

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