サイの豆知識 クロサイが黒くないのはなぜ?
まず、サイという言葉は、ギリシャ語の「rhino」と「ceros」。つまり鼻と角から派生したもので「鼻の角」と訳される。見たままであるが確かに他にはあまり見ない特徴なのも確かだ。
視力は低い。そのため嗅覚と聴覚に頼っている。といっても完全に見えない訳ではない。例えるならかなり視力が悪い人が眼鏡をしていないくらい、といった感じだ。
一見するとサイはゾウやカバといった他の大型草食哺乳類と類似しているように見えるかもしれない。しかしよく観察してみると、大きな違いが浮かび上がってくる。
サイはゾウと違って、比較的大きな頭を支える筋肉のこぶを持っている。また、カバとは違って半水生ではない。
そして何より3本指の足を持つことからわかるように、ウマやバクなど数種に限られる奇数の蹄を持つ奇蹄類のグループに属している。この点で根本的に異なっているのだ。
現存する5つの種があり、それぞれ特定の特徴によって区別できる。アフリカ原産のシロサイは口が大きく、最も大きな種である。同じくアフリカ原産のクロサイは、上唇が尖っている。
インドサイの唇は半包皮性で、さまざまな植物を食べることができる。一方、アフリカサイ(クロサイとシロサイ)の食性はより特殊で、クロサイは葉を食べ、シロサイは主に草を食べる。
クロサイの唇が尖っているのは葉を食べやすく進化したのかもしれない。
非常に縄張り意識が強いことで知られている。オスは後ろ足で土をこすり、尿を撒き散らすという独特の方法で縄張りを示す。
皮膚の厚さはなんと5cmにもなる。しかし日焼けや虫刺されにはかなり敏感だ。そのため天然の日焼け止めや虫除けとして機能する泥の中に安らぎを見出すことが多い。サイが泥をべたべたと体に塗りたくって歩いているのは、我々がUVカットのクリームを塗るのと同じともいえる。
母サイと子サイを除いて、サイはかなり孤独な動物として知られている。彼らは単独で生活することを好みしばしば互いを敬遠する。
絶滅の危機に瀕している。インドネシアにいる、ジャワサイとスマトラサイは世界で最も絶滅の危機に瀕している種のひとつだ。それぞれ個体数はなんと100頭以下である。(参考に言うと絶滅危惧種のスマトラ虎でさえ500頭ほどはいるので相当危ない頭数だ。)
耳と目の違い:サイの耳と目はそれぞれ独立して機能している。つまり、サイは、目が別のものを見ている間に、耳を別の方向に動かしてより多くの音を拾うことができる。
角の構成: サイの角は骨ではなく、ケラチンでできている。ケラチンは、人間の髪や爪を構成するタンパク質と同じ種類である。
やたらと密猟被害にあい薬にされてしまうこともあるのだが、要するに爪の塊と考えると珍しがったりありがたがったりするべきものではないだろう。
アフリカにはシロサイとクロサイが、アジアにはインドサイ、ジャワサイ、スマトラサイが生息している。
他の動物と同じように生態系において重要な役割を果たしている。植生の成長を制御し、他の生物の生息地を形成し、その保護が間接的に生息地の他の多くの種を保護する傘のような役割を果たしている。
彼らの体は、過酷な環境で生き残るために何百万年もかけて進化した。
サイに共通する特徴は、鼻に1本または2本の角があることだ。人間の髪の毛や爪と同じケラチンでできたこの角は、防衛や優位性の誇示、水や食料を掘るなど、さまざまな機能に利用されている。
アフリカのサイの角が2本であるのに対し、アジアのサイ(スマトラサイを除く)の角は通常1本である。
重そうな外見とは裏腹にサイは威嚇されたり、仲間を追いかけたりすると、時速約40~50キロ)のスピードを出すことができる。
古くから人類に知られており、初期の人類による洞窟壁画にもよく描かれていた。しかし、ヨーロッパの科学者たちがサイを体系的に研究し、分類するようになったのは、大航海時代と植民地拡大時代になってからである。何世紀にもわたって知識が蓄積されるにつれ、5つの種はそれぞれ同定された。
シロサイは実際には白くないことをご存知だろうか。その名前はオランダ語で広い幅を意味する「wijde」の誤訳だ。シロサイはだから幅が広く四角い口である。(クロサイは既に述べたが口先が三角である)
シロサイとクロサイはアフリカに生息し、シロサイの方が先述の通りほんの少しだけ体が大きく、社交的であるともいわれる。
妊娠期間は16ヶ月と哺乳類の中で最長だ。
少し汚いが、サイの糞だまりはコミュニケーションツールの役割を果たし、他のサイに堆積者の年齢、性別、繁殖状態を知らせる。
動物園で記録されているサイの最長寿命は49年だが、平均寿命はもっと短い。しかし、密猟や生息地の喪失による脅威のため、野生のサイの寿命はもっと短くなる可能性がある。
角は薬効があるであるとか、ステータスの象徴であるとして切望されてきたため、密猟が横行してきた。前述したように切った人間の切った爪を食べたり飲んだりするのと変わらないのだが…。
アフリカのことわざに “ダニはサイの背中にくっつく方法を教わる必要はない “というものがある。このことわざは、人は自分に有利になるような状況の乗り切り方を自然に理解しているという意味である。
南アフリカ、ナミビア、ジンバブエには、サイの最も重要な個体数が生息している。16000頭で主にシロサイだ。特に南アフリカには世界のサイの約80%が生息している。
残念なことにこれらのアフリカ南部側の国は保護区を作って保護に頑張っている一方で、サイの角の違法需要が主な原因で、サイの密猟が最も多い国々でもある。
アメリカでは、サンディエゴ動物園がサイの保護活動において極めて重要な役割を果たしている。この動物園ではサイの出産に成功しており、高度な繁殖技術によって絶滅の危機に瀕しているキタシロサイの保護に取り組んでいる。
この動物園のサファリパークでは、さまざまな種類のサイが飼育されている。
体が大きく、先史時代のような姿をしているため、恐竜のように見えるかもしれない。しかしサイは哺乳類である。哺乳類も恐竜も脊椎動物という大きな動物グループに属するが、進化の歴史が異なる別個の動物である。
もっと詳しくいうと、恐竜は2億3,000万年前から6,500万年前の中生代に生息していた。そして鳥類以外の恐竜は、この時代の終わりに絶滅した。(例えではなく現代の科学的分類の解釈では鳥は恐竜である。)
一方でサイに似た哺乳類が最初に出現したのは、恐竜が絶滅したずっと後、約5500万年前の始新世である。
つまり、サイは長い間地球に存在していたとはいえ、恐竜とは別の進化系統でずっと新しい種族なのである。
クロサイとシロサイの違いは? サイ比較一覧表
クロサイとシロサイとインドサイの違いの比較一覧。
特徴 | クロサイ | シロサイ | インドサイ |
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体の大きさ | 比較的小さく、体重は約800〜1,400 kg。 | 最大で2,300 kgほど、最も大きなサイの一種。 | 体重が約1,800 kgで、シロサイよりは小さい。 |
口の形 | フック状の上唇を持ち、枝や葉をつかむのに適している。 | 四角い上唇を持ち、草を食べるのに適している。 | フック状の上唇を持ち、主に草食性。 |
色 | 暗い灰色から黒色。 | 明るい灰色。天気によっては名前の通り白っぽく見えないこともない | 灰色で、体の一部に茶色の斑点が見られることがある。 |
行動 | より孤独で、単独行動を好む。 | 社会的で、群れを作ることが多い。 | 一般的に孤独だが、時には小さな群れを形成。 |
特異な特徴 | 敏感で攻撃的な性格。 | 穏やかな性格。 | 比較的穏やか。 |
生息地域の分布 | アフリカ南部に広く分布。 | アフリカの南部と東部に分布。 | インドとネパールの特定の地域に生息。 |
角の形状 | 角は比較的小さく、細長い。 | 角は太く、重厚感がある。 | こちらも角は大きく、特にオスは目立つ |