熊の豆知識 冬眠はいつから?走る速度は?群れる?

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熊の冬眠はいつから?

北海道の熊であるヒグマを例に取ると12月から翌年の4月頃までの約4ヶ月間、冬眠を行います。この期間クマは食事を摂らず体内に蓄えた脂肪をエネルギー源として利用します。

温暖な地域ではクマの冬眠の期間は2〜5ヶ月と一般に短くなりますが、いずれの地域でも冬眠はクマの生存に不可欠な行動です。特に、厳しい寒さの中で食料が乏しい冬を乗り切るための重要な戦略となっています。 

冬眠中、クマは体温を8〜12度下げ、エネルギー消費を抑えるために動かずに過ごします。この状態は、実際には完全な睡眠ではなく、浅い眠りに近いもので、少しの音や刺激で目を覚ますことができます。このため、冬眠は「冬ごもり」とも呼ばれ、クマは巣穴にこもりながらも、周囲の状況に敏感に反応することが可能です

Tiny bear cubs emerge from winter hibernation

冬眠中のクマは、完全に眠っているわけではなく、時折目を覚まして体位を変えることがあります。これは、体温を維持し、血液循環を促進するために重要です。特に、冬ごもり中のヒグマは、出産を行うこともあり、母親は赤ちゃんを育てるために必要なエネルギーを蓄えています。

冬眠の主な目的は、食料が乏しい冬を乗り切るための生存戦略です。クマは秋に豊富な食料を摂取し、体内に脂肪を蓄えます。この脂肪が冬眠中のエネルギー源となり、数ヶ月間の厳しい環境を乗り越える助けとなります。

ちなみに冬眠中、クマは驚くべきことに筋肉量をほとんど失わず骨密度も維持します。冬眠から目覚めたクマは、すぐに活動を再開し、食料を求めて動き出すことができます。 

熊の走る速度は?

ヒグマに似た体格のグリズリーベアは最大で時速40マイル(約64キロメートル)で走ることができます。この速度は、オリンピックの短距離走者であるウサイン・ボルトの最高速度を上回るものであり、クマが本気で走ると人間は逃げ切れないということです。特に下の動画を見てほしいのですが、急な斜面や不整地では、クマのスピードはさらに際立ちます。車好きの方向けに例えると、人間はFRですが、熊は4WDです。

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また、ホッキョクグマにしてもサイズは巨大ですが、最大で時速25マイル(約40キロメートル)で走ることができ特にこちらは短距離でのスプリントに適しています。彼らは氷上や雪の中での移動に特化しており、捕食の際にはそのスピードを活かして獲物に接近します。

クマの速さは、捕食や逃走において非常に重要な役割を果たします。捕食者としてのクマは、獲物に対して迅速に接近し、捕まえる能力が求められます。また、危険を感じた際には、素早く逃げることで自身の安全を確保します。このように、クマのスピードは生存戦略の一部として進化してきたのです

クマの速さの背景には、彼らの強力な筋肉と骨格があります。特に、後肢の筋肉は非常に発達しており、これが彼らの走行能力を支えています。クマは、体重に対して非常に強力な筋肉を持ち、これにより短距離での爆発的なスピードを発揮することができます。この生理的特性は、彼らが厳しい自然環境で生き残るための重要な要素となっています。

さて、百聞は一見にしかずということでこちらの動画をどうぞ。世代に寄ると思うがマキバオーのような走法である。とても早い。

Grizzly bear running! Grizzlies can reach speeds of up to 35mph

クマの攻撃性の要因

クマは基本的には臆病です。そして肉食タイプの動物でもないので積極的に来るような動物では基本的にはありまえん。熊の攻撃性は主に驚かされたり逃げ道がないと感じたときに引き起こされます。

特にクマが人間の存在に気づかずに近づかれた場合、驚きから攻撃的な行動を取ることがあります。このような状況では、クマは自己防衛のために反応し、攻撃に出ることがあるため注意が必要です。アメリカなどでは監視カメラに映った家の角などで、人間と熊がお互い鉢合わせてしまって、どちらもビックリして引き返すような瞬間も撮影されていたりします。

彼らの防御行動は特に母グマが子グマを守る際に顕著になり遭遇してしまった人間にとっては危険となります。こういうときの母熊は非常に攻撃的になることがあります。このような状況では、母グマは自らの子供を守るために、周囲の脅威に対して積極的に攻撃的に反応します。

このように熊は人間を恐れていますが、近づきすぎると防御的な行動を取ることがあります。特に、至近距離での遭遇は、クマにとって脅威と感じられ攻撃的な反応を引き起こす可能性があります。

他には食料の防衛もクマの攻撃性を引き起こす重要な要因です。特に、食料を見つけたクマは、その食料を守るために攻撃的になることがあります。これは、他の動物や人間がその食料に近づくことを防ぐための本能的な行動です。遭遇する機会もそうそうないかと思いますが、もしそういうときは自分が持っている食べ物を狙っている可能性もあります。何か食べ物を袋に入れているようなことが、少し悔しくても置いて逃げるのが得策です。クマ側に所有権の概念はありません。。

クマとの遭遇時の安全対策

クマに遭遇した際、まず静かに話しかけることが重要です。これにより、クマに自分が人間であることを知らせ、驚かせないようにします。大声を出したり叫んだりだけは絶対にやめましょう。

また、急に動いたりすることもクマが攻撃的になる可能性があるため冷静さを保つことが求められます。

繰り返しになりますがクマは臆病な生き物であり、通常は人間から距離を置こうとします。こちらが必要以上に刺激を与えないようにすることが大切です。そもそもクマ側にとって人間はエサでもないので襲う事自体がメリットがない行動なのです。

急に動いたり走ることがタブーな理由は走ることでクマの追跡本能を刺激し攻撃的な行動を引き起こす可能性があるからです。代わりに、ゆっくりとした動作で後退し、クマ側に逃げ道を与えることが重要です。このようにすることで、クマが自ら立ち去る可能性が高まります。

特に複数人でいる時は、グループで行動することも効果的です。静かに集まり、クマの様子を観察しながら、ゆっくりと後退することで、クマに対する威圧感を与えることができます。集団行動はクマにとって脅威と感じさせる要因となり、結果的にクマが立ち去る可能性を高めると考えられています。少ししつこいですがこういうときにバラバラになって走って逃げようだとか奇抜な作戦はやめましょう。。

クマが接近した場合、クマスプレーの使用も効果的といわれます。スプレーは唐辛子成分であるカプサイシンを含んでおり、クマに対して強力な防御手段となります。事前にスプレーを取り出しやすい位置に準備しておくことが重要です。クマとの遭遇時には、冷静にスプレーを使用することで、攻撃を回避する可能性が高まります。

しかし対策の一番は登山路などから外れたり、人がほとんどいなかったり、道のないような山に潜入しないことで、熊とうっかり遭遇しないようにすることです。

クマは群れない

クマは一般的に単独行動を好む生物であり、特にヒグマは親離れ後、原則として孤独に生活します。この単独性は食物を求める際の競争を避けるための戦略でもあります。特に母子グマや若いクマは、強いオスから身を守るために人里近くに住むことが多く、これが人間との接触を増加させる要因となっているとも考えられています。

ただし食料が豊富な環境では他のクマと共存するパターンも観察されています。果実やナッツ類が豊富な季節には複数のクマが同じ地域で見られることがあるようです。このような社会的行動は、食物の供給が安定している場合に限られ、競争が激化することは少ないです。

ということで単独行動派である一方でクマは一般的に縄張りを持ちません。他のクマと領域を共有する傾向があります。彼らの生息パターンは他のクマの存在より割と食べ物の木の実に左右されるのです。 

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