カンガルーのトリビアまとめ 歩いてるカンガルーを見たことある?

動物

カンガルー 袋も有名だけど他にも特徴がわんさか

カンガルーとは【実は大きく4種類】

オーストラリアの野生の象徴であるカンガルーは、ツリーカンガルー、ワラビー、パデメロンなどを含む有袋類の広範な科であるカンガルー目とも言われる双前歯目の、カンガルー科(Macropodidae)の分類群に属している。

カンガルー目はコアラやウォンバットも含むので一般的に浮かぶオーストラリアの動物ほとんどを含むともいえる。

生息地域としては太陽が燦々と降り注ぐオーストラリアのアウトバック、草原の平原やブッシュランド、さまざまな土地で生息している。

一般に「カンガルー」という言葉は、レッドカンガルー、イースタン・グレー・カンガルー、ウェスタン・グレー・カンガルー、アンティロパイン・カンガルーの4種の大型種に分類される。彼らはそれぞれ大きさ、体色、生息地の好みが異なることで区別される。

レッドカンガルーは赤いので簡単に見分けがつくと思う。しかし他のはどれもグレーっぽい色と同じような大きさなので注意深くみないとわかりずらいかもしれない。

彼らは効率的なホッピングに適応した強力な後脚など、いくつかの典型的な特徴を共有している。 長い足、運動時にはバランスをとり、休息時には支柱の役割を果たす筋肉質の尾、小さな頭部を持つ。

そして雌のカンガルーにはカンガルーの代名詞ともいえる袋(ジョーと呼ばれる、ほとんど発育していない子供が生後の発育を完了する特徴的な袋)が備わっている。

幼獣は豆ほどの極めて未発達な状態で生まれたにもかかわらず、本能と強さを持っており、母親の袋の中に何の支えもなく入り、乳頭にしがみついて成熟し続ける。

常に前向き アクセルホッパー

特筆すべき特徴として、その特異な運動様式があげられる。それは、高速で長距離を移動する際のエネルギー効率に優れたホッピング運動である。

人間のように右脚、左脚、と歩いているカンガルーを見たことがあるだろうか?

おそらくないはずだ。(あったら着ぐるみの可能性がある) カンガルーは陸上では後ろ足を別々に動かすことができないのである。

また後ろ足の長さと尾の胴回りを考えると後ろ向きに歩くことが物理的に不可能である。

そしてこのデメリットはメリットにもなる。逆に尻尾を第3の足として使う二足歩行を散発的に行う(五脚歩行と呼ばれる運動行動だ)

アボリジニとカンガルー

人類がカンガルーを発見し交流してきた歴史をたどってみると、ヨーロッパの探検家たちがオーストラリア大陸に足を踏み入れるはるか以前から、絵画などからオーストラリア先住民はカンガルーを認識していたことがわかっている。

こちらはアボリジニによるカンガルーのダンスだが凄い模倣度である。

カンガルーが好きでよく観察している人なら実際のカンガルーの振る舞いを上手く真似ているのがよりわかると思う。最初の寝ているところの姿勢もただの人間が寝ている姿勢ではない。気温がちょうどいい日のカンガルーは同じような肘をついた姿勢で寝ている。

アボリジニのカンガルーダンス

岩絵やその他の先住民の芸術は、カンガルーの存在と文化的重要性、そして生きるため、肉や皮、骨の道具としての利用があったことを物語っている。

18世紀末、特にジェームズ・クックの航海中に初めて、西洋の世界はこのユニークな生物について知るようになり、19世紀後半にはイギリスの動物学者ジョン・エドワード・グレイによって正式な科学的分類がなされた。

でかい。そして強い。

他の同じような動物、特にワラビーやワラロスのような有袋類と比較すると、カンガルーは一般的に圧倒的に大きい。オスのレッドカンガルーの体高は6フィート(約1.5メートル)にも達するものもいる。

野生のボクサーであるカンガルー。筋肉も凄いが姿勢が強そうだ…

彼らは汗をかくことができず、前腕を舐めたり、唾液をまいたり、風の蒸発作用に頼ったりして体温を調節している。

通常、「群れ」や「部隊」と呼ばれるゆるやかでダイナミックな集団で生活しており、多くの場合、1頭のたくましいオスが支配している。

単独行動で知られるレッドカンガルーも特に餌が豊富なときには実際に大きな集団を形成することがある。このようにまだまだカンガルーの研究は単体レベルでも集団レベルでも新たな発見がありそうである。

水分摂取と乾燥環境への適応

オーストラリアの厳しい乾燥環境で生き抜くため、カンガルーは水分摂取と保持に関して驚くべき適応能力を発達させてきました。彼らは数週間から数ヶ月間、水を飲まなくても生存できることがあります。これは主に植物から水分を取り入れることで可能になっています。

カンガルーは朝露が付いた草を食べたり、根や球根など水分を多く含む植物の部分を選んで食べることで水分を摂取します。また、彼らの腎臓は非常に効率的で、濃縮された尿を排出することで体内の水分を保持します。尿の濃度は人間のものよりもはるかに高く、これによって貴重な水分を節約しているのです。

熱調節についても優れた能力を持っています。汗をかかない代わりに、前述の通り前腕を舐めることで唾液の蒸発を利用して体温を下げます。また日中は木陰で休み、夜間や早朝の涼しい時間帯に活動することで熱ストレスを軽減しています。レッドカンガルーなどは、地面に浅い穴を掘って横たわることもあり、これによって比較的涼しい地面に接することができます。

カンガルーのジャンプ力【実は全員オリンピック選手レベル】

カンガルーの跳躍能力は単に印象的なだけでなく、エネルギー効率の観点からも非常に優れています。大型のカンガルーは時速60〜70kmで移動でき、一回の跳躍で約9メートルもの距離を飛ぶことができます。さらに、高さ3メートル以上のジャンプも可能です。

この驚くべき跳躍能力の秘密は、彼らの強力な後ろ足と尾、そして特殊な「バネ式」の移動メカニズムにあります。カンガルーのアキレス腱には弾性エネルギーを蓄えることができ、これがバネのように作用して効率的な運動を可能にしています。研究によると、カンガルーは速度が上がるほどエネルギー消費が減少する唯一の動物とされています。

通常の四足動物では速度が上がるにつれてエネルギー消費も比例して増加しますが、カンガルーの場合は反対に節約されます。これは彼らの腱が着地の際に運動エネルギーを弾性エネルギーとして蓄え、次の跳躍でそれを解放するというメカニズムによるものです。この仕組みのおかげで彼らは長距離を効率よく移動できるようになっています。

また尾は単なるバランス器官ではなく、第5の肢として機能します。ホッピング以外の動きをする際、例えば低速で移動するときや餌を食べるとき、カンガルーは尾を支えとして使い「五脚歩行」と呼ばれる独特の移動方法を行います。この方法では尾が体重を支え、後ろ足を前に出す際のてこの原理として機能するのです。

カンガルーの社会生活と知能

複雑な群れ構造と社会的行動

カンガルーは単なる単独行動の動物ではなく、複雑な社会生活を送っています。彼らの群れ(モブと呼ばれる)は、通常10〜50頭ほどで構成されていますが、食料が豊富な地域では100頭以上の大きな集団を形成することもあります。

この群れ内には明確な階層構造が存在します。一般的には最も大きく強いオスがアルファオスとなり、繁殖の権利を主に持ちます。しかし、この地位をめぐって激しい競争が行われることもあります。オスは「ボクシング」と呼ばれる特徴的な格闘を行い、立ち上がって前足で相手を殴ったり、強力な後ろ足で蹴りを入れたりします。これらの戦いは通常は怪我を最小限に抑えるためのディスプレイ的な側面が強いですが、時には深刻な怪我を引き起こすこともあります。

メスのカンガルーも独自の階層を持っていて、優位なメスは良質な餌場へのアクセスが優先されます。また、群れの中では「アログルーミング」と呼ばれる相互毛づくろい行動も観察されていて、これは社会的絆を強化する重要な行動です。

カンガルーは高度なコミュニケーション能力も持っています。様々な鳴き声、体の姿勢、足踏みなどの視覚的なシグナルを使って情報を伝達します。危険を感じた際は地面を強く叩いて他のメンバーに警告を発することもあります。

意外に高い知能と学習能力

一般的には注目されていませんが、カンガルーはかなりの知能を持っています。彼らは問題解決能力を持ち、環境に適応するための学習能力も高いのです。

例えば農場のフェンスを越える方法を学習したり、人間の行動パターンを理解して狩猟を避けたりする能力があります。オーストラリアの牧場主たちはカンガルーが水源や食料にアクセスするために様々な障害物を乗り越える創意工夫をすることをよく知っています。

また、カンガルーは顔による個体認識ができるとされています。研究によれば、彼らは人間を含め、他の動物の顔を覚え識別することができます。これは特に定期的に接触する人間や同じ群れのメンバーを認識する能力として現れます。

さらに、彼らは複雑な感情も持っていると考えられています。悲しみ、喜び、恐怖、リラックスなどの感情状態を示す行動が観察されていて、特に母親と子供の間の絆は非常に強いものがあり実際に色々な行動からそれは証明されているほどです。

タイトルとURLをコピーしました