パンダ 密林のゆるキャラ、実は肉食動物

動物

パンダという野菜好きふわもこ肉食動物のトリビア集

パンダを見ると竹という特異な食物に適応した動物であることがわかる。竹は彼らの食物摂取量の99%以上を占め、厳密には肉食動物に分類されるにもかかわらず、彼らの腸と歯列は、丈夫で繊維質の多い植物を扱うように進化してきた。

彼らが生息する中国中部の森林では、一般にほとんど孤独な生活を送り、豊富な竹林を求めて広大な竹林を横断する。

丸い顔はかわいいが竹を噛むのに必要な強力な顎の筋肉の結果である。タフネスの塊があの可愛い顔の輪郭なのだ。。

手首の骨が変化した擬似親指がある。それによって竹の茎をしっかりとつかむことができる。パンダは人間のように五本指だがその五本は同じ方向に曲がる。そして手のひら側にある二つの疑似親指の膨らみが人間の親指の役割をして掴むことができるというわけだ。

地上でののほほんとした外見とは裏腹に意外なほど泳げる。また、巧みに登ることができる。割とナチュラルでスポーティである。

パンダは竹以外のものを食べることができるか?

seni-9 パンダ 密林のゆるキャラ、実は肉食動物

イエスである。ジャイアントパンダは竹以外の食べ物も食べることができる。野生では竹が食事の99%以上を占めるが、実は他の種類の植物、小型哺乳類、鳥類、腐肉も食べることができる。

飼育下では、パンダケーキ(特別に調合された栄養価の高いビスケット)、果物(リンゴなど)、野菜、時には魚や卵など、栄養バランスを考慮したよりバラエティに富んだ食事が与えられることが多い。

そもそもパンダは名目上は肉食動物なのである。ということでパンダはときどき肉を食べる、が、そのような例はほとんどない。肉も食べられるといえば食べられるが、やっぱり竹や笹が最高なのだろう。

食餌の99%以上は竹や笹であり、それらは肉でもなければ、米やじゃがいもではない、かなり栄養価の低い食物といえる。そのためジャイアントパンダはエネルギー需要を満たすために毎日20kg以上の竹を消費しなければならない。。ある意味日々が顎の筋力トレーニングのような食生活といえるかもしれない。

Panda Swimming in River

特に短い繁殖期には、オスは匂いを嗅ぎ分け、声を出して交尾相手を競い合う。その魅力的な鳴き声のレパートリーには、鳴き声、唸り声、さらにはメスが交尾の準備を知らせるために発する独特の「ホン」という声も含まれる。

これは、受精卵がすぐに子宮に着床するのではなく、発育が停止した状態に留まるためで、母親は子パンダの出産時期を最適な環境条件に合わせることができる。

そのため、母親は子パンダを数日間抱っこしたまま飲食をせず、生後18ヶ月頃に自活できるようになるまで授乳と世話を続ける。

New-born Panda Reunited With Mother | Panda Babies | BBC Earth

遊び好きで好奇心旺盛な性格の証として、野生でも飼育下でも、パンダは坂道を転がり落ちたり、レスリングをしたり、クライミングをしたりと、さまざまな身体活動をすることが知られている。

一般的に平和的な性格であるにもかかわらず、パンダは必要に応じて身を守る能力が非常に高く、成獣は強力な筋肉、強い顎、そして恐ろしい噛みつきが可能な頑丈な歯を持っており、その強さと敏捷さは、愛らしい、しばしばコミカルな外見とは裏腹である。

かつて絶滅の危機に瀕していたが生息地の保護、密猟の対策、飼育下繁殖プログラムの成功などの広範な保護対策によって野生の個体数が徐々に回復してきた。

パンダは動きが遅く一日の大半を食事と休息に費やしているが、無防備というわけではない。

パンダはカラーリングを除くとほとんどクマであり、必要であれば身を守ることができる。

パンダは草食じゃないかと思われるかもしれないが、先述の通り肉食動物であり、クマはどうかというと、クマもどちらかといえば明らかに草食である。パンダもクマも肉を食べることが可能だが片方は笹、片方は木の実が主食といっていい。結局どちらも草食よりである。

ということでパンダは竹を食べるための強い顎の筋肉を持っている。パンダが脅かされた場合は強力な咬みつきという武器があるのだ。さらにはもちろんクマと同様に鋭い爪があり、防御に使うことができる。

大人のパンダが襲われることは比較的まれだが、生息地ではヒョウや野犬が捕食者となる可能性がない訳ではない。

なぜパンダはあの色をしているのか?

パンダの黒と白のカラーリング。めちゃくちゃ目立つ。特徴的。

多くの人はこの特徴的な外見が実用的な意味を持っていることに気づいていないかもしれない。この外見は、彼らの出身地である中国の四川省、陝西省、甘粛省の、雪や岩の多い環境に溶け込むのに役立っているのだ。

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自衛隊や軍隊などが迷彩服で災害救助などで市街地にいると服がかなり目立つが、ジャングルや森林地帯にいくと緑で紛れるということと原理的には同じ感じだ。

逆に言えばスーツのサラリーマンが船で渡航中に難破、無人島に流れ着いてオフィスで紛れられていた服装が自然の中で目立つようなものだ。(例えはどちらでもいいか。。)

とにかくパンダの黒と白の対照的な色は自然の生息地でカモフラージュするのに役立つ。白い毛皮は雪の背景に溶け込み、黒い毛皮は森の影の黒となって身を隠すことができるわけだ。

では雪のない夏はパンダは目立って危険ではないのか?

と思った方もいるかもしれない。

だがそもそもパンダは白と黒というイメージが強いが、野生では土で汚れて影の黒と落ち葉や枯れ葉のようなグレーや茶色となるのだ。

Elusive Giant Panda | National Geographic

こんな感じがリアルな野生の色である。動物園では割と綺麗にされていてそれはそれでよいが、こちらも野生の趣深い。

それに鬱蒼とした竹林や日陰の森も十分な隠れ場所とさまざまな光の条件を提供してくれる。このような条件下では、パンダの斑点状の色彩は、依然としてカモフラージュの効果を発揮するといえるだろう。

さて、更には体温調節の役割もあるとも一部で言われているようだ。

黒い斑点は熱を吸収し白い部分は熱を反射するため、パンダの体温調節に役立っているのではと言われているのだ。手足は黒いので末端冷え性かもしれない。突出部である耳も黒い。目も同じ進化の理由だとすれば蒸気でホットアイマスクは必要がなさそうである。

ちなみにパンダのいる中国の山地の竹林は涼しく湿潤で、冬と夏で生息環境がそこまで大きく変わることもない。

またパンダの顔、耳や目の周りのカラーリングはパンダがお互いを認識し、コミュニケーションをとるのに役立っている可能性がある。人間のメガネやヒゲみたいなものだと考えると、特徴としてわかりやすいので納得していただけるのではないかと思う。

人類はいつ初めてパンダについて知ったのか?

少なくともパンダは数千年前から現在の中国の地域に住んでいた人(おそらく現在の中国人やタイやミャンマーに現在住んでいる人たちだ)には知られていた。

古代中国の文献にも登場して神秘的な力を持っていると信じられていたこともあるようだ。そして平和と幸運のシンボルでもあった。

また、パンダの歴史的生息範囲は、現在の四川省、陝西省、甘粛省の限られた地域よりもはるかに昔は広かったと考えられている。

ヨーロッパとパンダの接触

ヨーロッパ人がパンダについて知ったのは比較的最近のことである。フランスの宣教師アルマン・ダヴィッドが1869年に猟師からパンダの皮を受け取り(怖いファーストコンタクト…)、西洋人が初めてジャイアントパンダを記録した。

しかしその後何年もの間、パンダはほとんど欧米では神話的な存在のままだった。

アメリカ人の社交界の名士であったルース・ハークネスが、スー・リンという名の子パンダをアメリカに連れて行った。そしてその展示が行われたシカゴのブルックフィールド動物園ですぐにセンセーションを巻き起こした。

これは1936年のことである。

ということで、生きたパンダが欧米に持ち込まれたのは100年も現在から経っていないついつい最近の話なのである。

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