ハエのトリビア ツェツェバエやフィロルニスは怖い…

むし

ハエの豆知識まとめ ツェツェバエには注意

ハエとはそもそも

ハエ目ハエ科に属するハエ

見慣れて見過ちがちだが昆虫の世界ではユニークな1対の翅を持つ。そして後翅は平衡感覚を保つ器官へと進化し、飛行中に驚異的な敏捷性を発揮する。

多様な食性。よく知られているイエバエのように腐敗した有機物を食べる種もいれば、捕食者、寄生者、あるいは血液を吸う種もいる。

害虫と思われがちだが、もちろん生態系において重要な役割を果たしている種もある。

6本の足の先には特殊な器官がついている。味覚と嗅覚を感じ取ることができるのだ。つまりそれぞれの手足に舌と鼻がついているというわけだ。(なんか怖い。)

ハエは他の昆虫と同様に完全変態を遂げ、卵から幼虫、サナギ、そして成虫へと変化する。進化的適応の驚くべき例は、砂漠に生息するハエに見られる。

いくつかの種のオスは、メスを獲得するために空中アクロバットや贈り物など、手の込んだ求愛行動をとることが知られている。

有害なハエ種の個体数をコントロールするために、科学者たちは遺伝子工学に目を向け、不妊昆虫技術として知られる方法で、生存不可能な子孫を残す遺伝子組み換えのオスのハエを作り出した。

正式に記載されたハエの種は12万種を超え、その膨大な生物多様性と地球上のほぼすべての生息環境への適応を証明している。

様々なハエの種類 恐ろしいツェツェバエって?

地味なミバエであるショウジョウバエは、遺伝学や発生生物学の理解に大きく貢献し、その短いライフサイクルと容易な培養法によって科学研究の寵児となっている。

クロッグミアは、幼虫の濾過摂食行動で知られており、複雑な網を構築して水中の食物粒子を捕獲する。

ツェツェバエ吸血バエだ。サハラ以南のアフリカ各地で壊滅的な被害をもたらしているアフリカ眠り病の原因となる寄生虫を媒介する。

シマウマのシマはジャングルで目立つと思うかもしれないが、あの縞は景色に溶け込むカモフラージュよりも、ツェツェバエからの防御のためと考えられている。彼らの白黒のシマ柄には本能的にツェツェバエは寄り付かない傾向が確認されている。

特にクロバエは、法医学捜査に不可欠であることが証明されており、腐敗した遺体に存在するライフサイクルの段階を調べることによって、死亡時刻の推定に役立っている。

ボットフライは哺乳類に寄生し、宿主の皮膚の下に卵を沈着させるという、ぞっとするような生殖戦略を持っている。。

ハエ類の大きさの幅の広さには驚かされる。最も小さい種類でも体長わずか0.4ミリメートルだが、最大のガウロマイダス・ヘロスは70ミリメートルにも達する。ホバーフライのように、防御機構としてハチやスズメバチのような刺す昆虫の外見を模倣するハエもおり、進化の戦術の複雑さを物語っている。

興味深い研究によると、メスに拒絶されたオスのミバエはアルコールを多く摂取する傾向があり、ハエの脳内の報酬システムは我々が考えている以上に複雑であることを示している。最後に、ハエの目は何千ものレンズから構成されており、動きや光の強さの変化を素早く感知することができる。

バイオレメディエーションの分野では、ブラックソルジャーフライの幼虫が有機廃棄物の堆肥化に利用され、その貪欲な摂食によって廃棄物を効果的に分解・削減するのに役立っている。

排水溝ハエまたは下水道ハエとして知られるハエの一群は、体を覆う毛が感覚器官として機能し、通常暗くて湿度の高い環境を移動するのに役立っている。

対照的に地中海ミバエのような種は農業害虫として重要視されており、果実作物に甚大な被害をもたらしている。

驚くべきことに、アオジタテハの寄生幼虫のように、宿主であるアリの行動を操り、保護や資源の提供を誘導できるハエもいる。

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フィロルニス 吸血バエ

そして寄生バエのフィロルニス・ダウンシ(Philornis downsi)のメスは、小鳥の巣に卵を産み付け、幼虫が鳥のヒナに寄生して鳥の個体数に大きな悪影響を与えるという怖いハエだ。このため吸血バエバンパイアバエなどとツェツェバエのようにこちらのハエも呼ばれることがある。

ちなみにフィロルニスという種類自体は中央および南アメリカに分布する約50種のハエの属である。

フィロルニスは1990年代に中米のトリニダードやブラジルで初めて記録されました。かなり侵略的な種であり、今ではガラパゴス諸島の固有の陸鳥に対する大きな脅威として有名にもなっています。

成虫のフィロルニスは特に問題のない果物や蜜を食べる自由生活のハエなのであるが、上記の通り、孵化した幼虫が問題なのである。中米や南米、そしてガラパゴス諸島の種としても貴重な島の固有種の雛鳥に寄生して血液や、組織を食べてしまうのだ…。実際にその場合は高い死亡率を引き起こしているようだ。吸血バエなどというニックネームで呼ばれるが、このように実態はもっと恐ろしい生態なのである。

こちらはダーウィンの研究でも有名なダーウィンフィンチという鳥の巣に忍び込んでいるフィロルニスの姿。このように見た目はただのハエなのだが怖すぎる。

Philornis downsi fly oviposits in Darwin’s finch nest

ということで、生態系としてはハエは重要な昆虫なのだが、ツェツェバエやフィロルニスのように時にはその大きさの何倍、何十倍大きな動物にとってもかなりの恐怖となるのが、ハエという身近な昆虫なのである。

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