シャチは名前から狂暴? シャチの英語名やオルカの意味とは
漢字でシャチは鯱。魚に虎。虎魚。怖い。
シャチのショーなどはかわいいしこれはアジア圏だけの偏見じゃないだろうか?
英語はどうだろう?
英語名はkiller whaleだ。殺人鬼のクジラ。イメージが悪化してしまった。
ちなみにこの英語名はwhale、クジラであるが、シャチはクジラではなく実際にはイルカ科最大の仲間である。
本当に狂暴?こちらをどうぞ。シャチに吹き飛ばされているのは小魚ではない。アザラシだ。。
さて次に、英語ではオルカという名前も聞いたことがあるかもしれない。英語でも通じるしそもそもはラテン語の名前だ。
このOrcaは、Orcinus(オルキヌス)に由来する単語だ。
Orcinusとは冥界の神Orcus(オルクス)に属するものという意味である。つまりオルキヌスとは死者の王国の、死神界の、といった意味である。
紹介すればするほどイメージが恐ろしくなっている気がするがとにかく昔から世界中で獰猛に思われているのは事実である。
余談だが、今や世界的な有名アニメである「僕のヒーローアカデミア」ではギャングオルカという強いヒーローのキャラクターがいるが、ギャングとオルカの組み合わせは名前だけでいえば完璧にヴィランの部類である。。
こちらはニューヨークポストの記事。ホオジロザメの肝臓など、表現がきついので伏せておくが色々なところを裂いたようだ。怖すぎ。
そして彼らは勿論怖いだけではない。魚の中では比較的高い知性、高いコミュニケーション能力という共通の特徴を示す。
狂暴なだけじゃないシャチ 高度なグループ漁
シャチは狂暴で有名で実際にそれは嘘ではない。しかし世代を超えた学習や文化的な伝統も示す。例えば、ニシン漁はかなりユニークな行動だ。泡を放ち、白い下半身をチラチラ見せることによって大量の魚をコンパクトなボールに追い込む猟だ。その後、強力な尾ビレで叩きショック状態の魚を一匹一匹と捕獲する手法だ。実際に見ると結構残酷だったりする。
上記の動画でも聞こえるクリック音、口笛、パルス音からなる彼らの発声は、特定の群れ特有のものである。世代を超えて受け継がれる「方言」を形成している。
群れのメンバーが協力して波を作ってアザラシなどを流氷から叩き落とすというテクニックもある。単独でも十分強いが協調的な狩りのスタイルを特に得意としている。
シャチによる集団狩り。ジョーズの映画より迫力がある。。
シャチは母系の群れで生活する。これらの群れはより大きな氏族やコミュニティの一部である。社会構造は複雑で群れの一員であることは生涯続く。
人間のような婚姻制度はない。メスは通常、近親交配を防ぐために異なる群れのオスと交尾する。オスとメスが長期間ペアを組むこともない。
また、「エコタイプ」と呼ばれるシャチのそれぞれ異なる個体群は、大きさ、色彩パターン、ヒレの形のバリエーションから、食事、発声、社会構造の違いに至るまで、何千年にもわたって独特の形質と行動を進化させてきた。
Q.シャチの好物は? A.バイキング
食性は多岐にわたる。魚類全般にかわいいアザラシはもちろん、巨大なクジラや、近縁のイルカでさえ食べるある意味恐ろしいものである。群れは特定の海洋哺乳類の捕獲に特化していることもある。
そういうことで勿論彼らは海の生態系における頂点捕食者である。天敵と言えば極めて稀に遭遇する人間くらいである。
地球上で最も広く生息する哺乳類のひとつであり、北極から南極までの海に生息している。これは、氷に覆われた極海域から熱帯の海まで生きられるということである。
シャチの高度な知能
動物の中では少し珍しい我々人間のように閉経を過ぎても何年も生きられるシャチのメス。これは知識を共有し食料源へと集団を導くことで家族の生存と成功に重要な役割を果たしていると考えられている。知性の高い動物の証ともいえるだろう。
シャチの大きな脳と強力な問題解決能力は、これまで説明した他にも陸上でアザラシを捕らえるためにわざと座礁してからもぞもぞと海中に戻る先を見越した行動など、さまざまな方法で実証されている。
そもそも水族館では頭のいい魚とよく言われるイルカのショーが行われているが、シャチショーが行われている水族館も多い。そして最初述べた通りシャチはイルカの一種なのである。
人間の話し言葉を真似ることも知られている。飼育されている個体のなかには「こんにちは」や「バイバイ」といった言葉を真似るものもいる。
その他いろいろ
シャチは昼も夜も活動し、昼行性、夜行性という厳密なパターンはない。その活動は獲物の有無や群れ内の社会的交流に左右されることもある。
白と黒の特徴的な外見で知られるシャチだが、実は体色は様々で、背びれの後ろに薄い灰色の「鞍斑」を持つものもある。
現在の個体数の減少は主に人間の活動に起因していると一般に考えられている。その要因としては体内に蓄積されたPCBなどの汚染、乱獲による餌生物種の枯渇、エコーロケーション能力を妨害する騒音公害などがよく挙げられるところだ。
サメやピラニアのように人間にとって危険な魚か?これについてはシャチが人間に危害を加えたという記録はいくつかあるが、それは極めてまれなケースである。
そもそも接触機会も少ないため、多くの場合は飼育下の動物が関係している。野生のシャチについても通常、人間にとっての脅威とは一般に考えらていない。